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こんな人は行政書士として開業しても成功しないだろう

行政書士合格者のための開業準備実践講座」という本がある。

これについて書かれたアマゾンのレビューを全文引用する。

 

突っ込みどころが多すぎて何をタイトルにすべきか難しいです

 

えっと、何から書けば良いのか迷いますね。とりあえずテーマにそっていきましょうか。
○実現可能性がそれありますか?
開業前に「アドバイザー」、「パートナー」、「見込み客」の確保とあります。アドバイザーはいわゆるメンターで自分の実務能力の少ないのを補ってもらうための存在のようです。んでそのアドバイザーの得方が電話では失礼なので挨拶状を送るとあります。いきなりそんな挨拶状を送りつけるのも失礼なのではと思いました。またパートナーとは他士業の人とありますが、お願いすれば好意的に受け入れられるとあります。どこの馬の骨かも分からない行政書士がいきなり業務提携を持ちかけてきて好意的に迎えられるってそういう事例をこの著者は多数知ってるのですかね?謎です。
AllAboutに「士業連携の難しさ」という記事があるので一度目を通すことをオススメします。ガイドたる著者の山本直哉先生は信用できる経歴と考えの先生です。
最後の見込み客など妄想では?
コンメンタールを通読?
試験科目に行政書士法がなくなったから、行政書士法コンメンタールを通読せよとあります。コンメンタールの使い方知ってますか?コンメンタールは辞書みたいな存在です。教科書と違ってわからない所が出てきたときに調べる書物です。国語の勉強をするときに国語辞典持ってきて「あ」から読んでいく人はいませんよね。中央の法がコンメンタールの使い方を教えないなんてないと思われるので、自身がしっかり学んでないようです。
○実務脳とはなんぞや?
書いてある箇所を読めば事実関係把握力と仕事の流れであると書いてました。すなわち要件事実ですよね。これがなんだか抽象的というか宙に浮いてる印象を受けました。
やたらでてくるけど、説明がその程度なので、だったら何なんだって感じです。
判例をタイムズや時報で読むのは主に弁護士では?しかも用途が違う
判例そのものを調べるのに判例雑誌を使う実務家っていますかねぇ。学者や学生は調べたりしますよ。文献の中で参考判例に判タ何号何ページとあること多いし、時間がありますから。時間のない実務家にとってあれは「速報」ってところに妙味があるんですよ。弁護士は裁判で主張・反論を組み立てないといけないから。高裁辺りの裁判例で自分の主張と似た主張がはねられていたら急いで予備的主張を練り直さないといけないですし、最高裁で否定されたら完全に一から考え直しですからね。判例百選は論外です。あれは学習用教材です。そもそも判例検索って何のためにするかってことわかってますか?裁判所が事実を法的にどう評価しているかという事実認定と、法律の解釈が必要なときにどういう法令解釈をしたかという確認のためにするんですよ。そのために判例検索はします。
今はTKCかLLIでしょう。どうもこの著者は判例を何の為に調べるのかということが分かってない事に加えて判決文そのものを読んだことがないのではという印象を受けます。
○文章がぶつ切れですよ
行政書士は文章のプロといい、文章の大切さを説く割には本書の文章はとてもぶつ切れです。接続詞やらがあんまりないので読みにくいです。レジュメみたいな文章ですね。やたら文章が上から目線なのも鼻につきます。
○参考書籍がちょっと…
行政法の基本書がサクハシだけですか。他にもいっぱい良書がありますので是非他のも読んで少しは勉強して頂きたいと思います。あとそのサクハシ、この本の第一版出版時点で版が古いですよ。版が変われば買い換える。常識ですよ。たった一冊しかあげてない行政法の教科書さえちゃんと読んでないという証拠ですね。家族法の参考書籍の内民Ⅳは相当古いですね。民法大改正前のちょっとした改正にも判例にも対応出来てない書籍です。
二宮先生の家族法もあがってますが二宮先生は少数説に反対説のオンパレードな先生ですよ。読むのに注意のいる本であり軽々にすすめられる本ではありません。オススメ書籍のラインナップだけでも勉強に対する心構えが簡単にわかるんですよ。
あと自分の本をやたらと勧めるのはまあよしとしましょう。
○なんか読者を恐怖に陥れようとしてません?
開業前に達成が困難なことを申し向けて「負のスパイラル」といって怖がらせている印象です。
あとお客さんに対するお茶の出し方なんて開業準備が目的のこの本の中ではどうでもいい。
○おや、黄色い紙が挟まってる…
著者が主催する開業前ゼミですかぁ〜
ここにつながるわけですね!嫌いな言葉ですがいわゆるひよこ食いってやつでしょうね。
最後に値段が高いです。専門書と同等の値段がします。

 

という感じである。

この人は行政書士として開業するつもりで、この本を買ったものと思われるが、関係がないといえばそれまでだが一応先輩の行政書士で開業について教えてくれる人に対して、突っこみどころが多すぎてというのは何様のつもりなのかと思う。

 

コンメンタールは辞書のようなもので、辞書を1から読んでいく人はいないとしているが、それは一般人のお話で辞書を読むような人は博学になれる。そんな人は稀なだけで、自分の頭が一般的というだけである。

 

実務脳というのが、よくわからないと書いてるが、試験とは違うよということで、詳しく書いてなくとも、なんとなくでも開業する人間にはわかってほしいものである。その点、やはり欠けている。

 

著者の勧める参考書籍が気にくわなければ読まなければいいだけのことで、あくまで自分に合う本は他人の勧めではなくて、自分で探さないといけない。また勉強して頂きたいと思いますというのは先輩に対して何で上から目線なのかと思う。

 

なんか読者を恐怖に陥れようとしてません?とあるが、行政書士はそれほどでもないが、例えばラーメン屋などは開業しても9割はつぶれるらしいから、開業というのは成功するのが難しいと思っとかないといけない。この人は認識不足である。

また、お客さんに対するお茶の出し方なんてどうでもいいなどとしているが、行政書士が客商売だとわかっていたら、どうでもいいという言葉なんて出てこないだろう。この点だけでも、この人が開業しても成功しないのがわかる。

 

ひよこ食いという言葉が出てくるけど、例えば先生が学生時代に覚えたことを生徒に教えて、それがひよこ食いだという人がいる?それと同じで自分は開業講座をやる人をひよこ食いだとは思わない。むしろ、わざわざノウハウを教えてくれる、ありがたい人だと思う。お金はかかるかもしれないが。

そもそも、ひよこ食いだとか言うのは、ある程度ベテランの行政書士で、右も左もわからない人間が言うことでない。自分はそんなものにひっかからないぞと思ってるのかもしれないが、そういう姿勢では何も吸収できない。

この人は何から何まで否定で、何も得るものがない。普通だったらどんなに内容が悪くても1つや2つは得るものがある筈である。それが、この人は全否定である。こんな人には何を言っても無駄であるし、行政書士として開業しても成功しないだろう。